アーロン収容所

会田雄次著作集
アーロン収容所:1962年
アーロン収容所再訪:1975年
ウィキペディアにある著者の紹介。
1943年に応召しビルマ戦線に歩兵一等兵として従軍。イギリス軍捕虜となり1947年に復員するまでラングーンに拘留された。この時の捕虜体験を基に書かれたのが『アーロン収容所』である。
戦争中に敵軍につかまったのが、「捕虜」であるが、著者が属していた陸軍は戦争状態のまま終戦に移行したため、「降伏軍人」「非武装解除人」として軍のヒエラルキ下のまま英国軍の収容所のに送られ2年間の強制労働を経験した。
開戦当初は打って変わった立場になり、多くの辛酸をなめた話が満載されている。
ミャンマーの旧ビルマの人々との交流、インド人・グルカ兵、華人の比較が極限状況で映し出される。
翻って、
私たち日本人は、ただ権力者への迎合と物真似と衆愚的行動と器用さだけで生きてゆく運命p132
と指摘されている。
「アーロン収容所再訪」では、ビルマの人々の穏やかさを各所に述べている。
昨今話題のロヒンギャについては、
ビルマにもインド系の人に多いのだが、例のインドの不可触賤民という処遇を受けている階層がある。p357
と触れている。
おそらく宗教・外見等の差異から「よそ者」として認識されているのだろう。
人間の社会がある限り「ウチ」と「ソト」の概念はついて回るようだ。