古代文明と気候大変動

-人類の運命を変えた二万年史-
著: ブライアン フェイガン
訳:東郷 えりか
河出文庫 (2008年6月)
本書は、今から約18,000年前からの現在の時点で採取できたコア等の情報から、気候と文明との関係を説き明かしている。
その時々の人類の生活の状況を、あたかもそこにいて観察してきたかのように、詳細に再現する。
気候は、地球の軌道離心率や太陽活動の変化、海流や氷河の状況、そして火山の活動などにより状況の変化を受けて、人間が生み出した文明が勃興し、最盛期を迎え、やがて衰退していく。
古代文明が何故に廃れたのか・・・を嚆矢として、有名なローマ帝国でさえも旱魃により勢いが削がれていく様は、表層的な政治家の交代を綴る歴史書ではなかなか語られないところである。
今では容易に想像できないが、メソポタミア文明の地は、かつては、緑があふれていたのだろうか。
今問題視されている二酸化炭素問題について、著者は問題なく影響を与えていると解説している。