携帯電話の電磁波

今日のYahoo!トピックに、下記の記事があった。
「電車内での携帯電話の電源オフは、優先席付近だけでいいの?」。東北大理学研究科の本堂毅助手(統計物理学)らの実験で、金属の天井や壁のある空間では、携帯電話などの発する電磁波が反射するため、発信源から距離をとっても、必ずしも弱まらないという結果が出た。(読売新聞)
本堂氏は、2003年頃に、列車内では多くの乗客から発せられる携帯電話の電磁波が重なって反射し合い、 その電磁波密度が国際的な安全基準値を大幅に超えうることを理論的に示し、警告を発された方である。
その「理論」、とは、電車内全体をかなり単純化し、携帯電話機が複数存在するけれども、それを保持する人間の電波吸収作用については考慮していない、純粋に科学的な想定に基づいたものであった、ように覚えている。
今回またぞろ、一種人心をかく乱されるような発表である。「金属の天井や壁のある空間では」場所により反射される電波の相互作用で強まる場所が存在することは、電波伝搬を学んだことがある人間にとって、容易に理解されることである。
ただ、その強まる場所は、電波発射源(携帯電話機)の場所が絶えず秤動することによりダイナミックに発生・消失をする性質があり、発表された内容は、「はい、そうですね。それがどうかしましたか?」程度と捉えるべきものであろう。