心の先史時代

[原書名:THE PREHISTORY OF THE MIND : A search for the origins of art, religion and science〈Mithen, Steven〉 ]
ISBN:4791756533
青土社 (1998-08-31出版)
ティーヴン・ミズン(Steven Mithen)著、松浦 俊輔・牧野 美佐緒訳
人類の過去を遡り、人間の意識がどのように進化したかを考えた本である。
発掘された化石・石器、発見された壁画等から、現代人類の共通祖先がどのような意識が持てたかを類推するのは、大変難しい点がある。
中に、キーワードがある。
エルンスト・ヘッケルの「個体発生は、系統発生を繰り返す」というものだ。
即ち、我々が生まれ、育ち、生きる、中でどのように意識を発達させるかを分析すれば、太古からの変化がつぶさに観察できる、ということである。
ティーヴン・ジェイ・グールドも、ずばり「個体発生と系統発生」でこの点を論じ、反復説反対の立場をとっている。小生はジェイ・グールドのファンではあるが、この点なかなか一刀両断的に言い切れるものではない。