モップアップ

モックアップ」ではない。
FDM中継伝送装置が使用されていたその昔、多段中継アンプを経由することにより、アンプの周波数特性のアバレにより帯域内においてS/N比が劣化している箇所の補正を行う行為のことである。
FDM装置は、4MHz帯960CH(パイロット信号:60kHz&4092kHz)収容の仕様であった。
選択レベル計で各群のパイロット信号レベルを計測し、全局間の周波数特性をグラフ化するのが第一段。
第二段は、各局間の通過帯域群を考慮し、ATT設定値を決定していくのであるが、横浜での設定が博多まで影響を及ぼす(小倉での設定が東京まで影響を及ぼす)ことを念頭において設計する必要あり、一種のパズルを解くような面白さがあった。
最終の第三段は、事前に設定した実行日に、各中継端局に人員を手配し、装置に備えてあるモップアップイコライザをあらかじめ送付した値に順次変更する、大掛かりなもので、伝送系年一回の恒例行事であった。
東京に転勤してこの仕事に数回携わった後、全体システムがTDM中継伝送装置にリプレースされ、過去の話、となった。