博物学者アルフレッド・ラッセル・ウォレスの生涯

ISBN:978-4-7835-0244-9
新思索社(2007/10)
著:ピーター・レイビー
訳:長澤 純夫 大曾根 静香
進化論のもう一人の「忘れられた」提唱者である、ウォレスに関して著された書。
ウォレスは、「ウォレス線」の提唱者であり、マレー諸島(群島)の著者。
訳者あとがき(p438)に、
従来の評伝はウォレスのアマゾンとマレー群島での探検旅行と科学的業績を中心に語られたものであるため、その後半生についてくわしく知る人はきわめて少ない。きれいに切り捨てるか、「しかし人生の後半では心霊主義に傾倒し、種痘反対、土地国有化などを標榜する社会運動家となった・・・」と簡単にかたずけられてきていた。
とある。
39歳で英国に帰ってから90歳で死去するまでについて、資料を掘り起こして丹念に語られている。
自らの感覚を大切にする自然人、という感が強い。
ダーウィンは、彼が59歳の時に死去している。
ダーウィンは、ウェストミンスター寺院に埋葬された。
ウォレスにも、その場所へ併葬の申し出があった。そうだが、家族が辞退したそうだ。
それにより、彼の名は裏方に回った。と思う。