スノーボール・アース

−生命大進化をもたらした全地球凍結−
著:ガブリエル・ウォーカー
訳 : 渡会圭子、監修: 川上紳一
早川書房、2004年
ISBN 4-15-208550-9
約22億年前、地球は全球凍結状態に数回遷移し、生命進化に大きな影響を与えたという仮説がある。
それまでは、過去大幅な気候変動がなかったという斉一説が主流であった。
新説に対しては、他の学者からの常に厳しい批判がある。
しかし、今常識のプレートテクトニクスも当初は異端視されたことがある。
本書は、最初に出したアイデアからどのようにまとめられ、どのように攻撃を受け、どのように受け入れられたかを著す。
「全球凍結」説は、NHKの「地球大進化」で取り上げられたことでの一般化効果は大きかった。
それまで主流だった単細胞生物から、何故、多細胞生物に変化したのか、のメカニズムに関しては、これという理由は書かれていない・・・これの実証はほとんど不可能であろう。
p219、「誤った事実は長く持続するため、科学の進歩にとっては非常に有害である。しかし誤った見解は、いくらかの証拠があるなら害はほとんどない。それが誤りであることを証明することに、誰もが健全な楽しみを見出すからだ」・・・C・ダーウィン
カンブリア紀の大爆発で有名なエディアカラであるが、お金になるため、もうほとんど盗掘されつくしているそうだ(p241)
上野の科博では、「大氷河時代」と表現されていた。つまり、そこは「スノーボール・アース」に対しては距離を置いているということだ。