〈生きた化石〉

−生命40億年史-
著:リチャード・フォーティ
訳:矢野 真千子
ISBN:9784480015884
いままで、著者の本は3冊紹介している。
それらどの本も大変興味深い。
特に、下記2冊は地球の古代史を違った切り口で書かれている。
・生命40億年全史
・地球46億年全史
もうネタは尽きたかとおもったが、豈図らんや、世界中の「生きた化石」の生息地まで足を伸ばして、地球的年代史の観点から人間がこれからなすべきことがらについて問題提起をする。
本書内でも数回触れられているが、「生きた化石」とは、化石として出土するものと現在"生きた状態で"観察できるものとは完全に同一ではない。
古代のその生物から現在まで、年代を経た変化はあるが過去の情報を現在に伝える現世種なのである。
そして、現世繁栄中の二本足歩行哺乳類の一種は、地球上に拡散する過程でせっせと多くの生物種を絶滅させてきた。
そのころは、生物種の絶滅についてさほどの危機感はなかったが、地球環境が掛け替えの無いものとして認識されてきて、多少流れは変化している。
著者は、多様な生物種を維持する取り組みが更に必要だと訴える。
正しく、その通りで、(世界中の「生きた化石」を紹介する)本書の内容に即したTV番組シリーズを制作すべき、・・・とも思うくらいだ。
気になった点を二つほど・・・
p174で、
私はそのとき、隠しおおせない二対の穴を見つけてにやりとした。泥の下に深く埋まっている二枚貝が呼吸管を伸ばしていたのだ。
とあるが、
一対の穴
ではないだろうか。
 
本書では、白亜紀末のK-T境界を6500万年前、としている。
最新の知見では、精度が上がって、約6550万年前(ウィキペディア)としていると思っていた。
どの桁まで有効数字は、さておき、恐竜が恙無く暮らしていた中生代のある日、突然に、その日は来て、絶後の出来事が起こったことは確実視されている。
本当に「絶後」かは、別にして・・・