宇宙に果てはあるか

著:吉田 伸夫
新潮選書
発行: 2007/01/25
ISBN : 978-4-10-603576-0
科学者が考えた「宇宙」について、歴史を紐解きながら平易に解説した本。
古今の有名な科学者とて、ヒトの子。万能たりえない存在ではあったが、営々として蓄積した知識を元に新しい説を唱え、それに対する厳しい選択をパスしたものが、現在の知見として人類の財産となっている。
p128で、赤色巨星段階に到達した太陽は、かろうじて地球を呑み込まなく済みそう・・・と記すが、その段階以前に生物の存在は不可能に至っているだろうから、無意味ではないか。
p177で、SETIを紹介している。奇しくもごく最近SETIにまつわるカール・セーガンを偲ぶ映画「コンタクト」がBSで放送されていた。この映画は秀作である。
それでも紹介されていた有名な「ドレイクの方程式」ではあるが、小生的には悲観的な結果となるように思える。
即ち、この宇宙には、現在我々しか、いない・・・と思うのだ。
しかし、この世界を感じることができる人間ってなんと素晴らしい存在なのだろう。