地球儀の社会史

―愛しくも、物憂げな球体-
著:千田 稔
カニシヤ出版 (2005/12/01 出版)
ISBN: 9784779500015
我々の住む「地球」を縮小して表現した「地球儀」の歴史とまつわる物語。
古代、球体として科学的に意識された時期はあったが、通常の生活では感覚的に球面を意識することはできない存在の、地球。
織田信長は、地球儀を携えてきた宣教師から科学的な知識の開陳を受け、旧来の宗教や迷信に対する明快な解答として満足したようだ。
帝国主義の台頭と共に、地球儀は権力のメタファーの務めを果たすようになった。
万博(例えば、べたに愛地球博)では、地球儀は必須と言えよう。
外務省の外務大臣執務室に地球儀が据えられたのは、2001年からだそうだ。(p7)
日本の子午線は、当初京都と定められていたが、東京遷都(1869年)から1888年までは、東京に定められて、その後東経135度の明石市になった(p159)ことを知った。
我が家にも地球儀はあるのだが、ホコリを被っている。