スティ-ブ・ジョブズ

著:ウォルター・アイザックソン
訳:井口 耕二
講談社 (2011/11/01 出版)
ISBN: 9784062171274
ウォルター・アイザックソンは、「アインシュタイン」の著者でもある。
人気の書で、図書館には下巻しかなかったので、下巻分のみ。
稀代の天才として、数多くのヒット商品を創造したApple社のCEOの実像を、Apple復帰からその最後に至るまで、余すところなく描写する。
時代の旗手としての苦労の報酬として栄光。その性格の反面を容赦なく突く病魔の状況がよく取材されている。
なぜ、「iPHONEiPADで、アドビのFLASHが使えないのか」の理由は、本書を読んで分かった。
1999年、動画編集ソフトウェアをはじめとする製品をiMACでも使えるようにしてほしいと頼み、アドビ社に断られ(p350)たことに因るということらしい。
個人の怨念が、後々まで尾を引くということか・・・
お互いに、「お前のソフトが、プロプライエタリ」だと貶し合っている。
http://d.hatena.ne.jp/nitoyon/20100430/thoughts_on_flash_jp
が、規模的な面を考慮すると、Appleの方がよりクローズであると思う。
 
Macintoshは、1993年から2003年まで使用していた時期がある。
ピピン等互換機Apple迷走の時代からiPODで新分野展開の時期に重なる。
東洋の島国の住民として、そのようなことが展開されていたことを知ると感慨深い。
 
1997年8月のマックワールドの基調講演で、マイクロソフトとの提携発表時、
ファンからは、最初、うめき声やシーという非難の声があがった(p69)
とあるが、YouTubeで当該講演を確認すると、その部分は
ファンからは、最初、ジーとかブーとかという非難の声があがった
の方がより適切と思うが、原著ではどのように記載されているのだろうか・・・