重力はなぜ生まれたのか

ヒッグス粒子発見に至る希代の物理学者たちの重力探求の道-
著:ブライアン・クレッグ
訳:谷口 義明
ソフトバンククリエイティブ(2012/08/31 出版)
ISBN:9784797370232
著者は、イギリス在住のサイエンスライタである。
重力を縦軸に定め、それに纏わる科学の歴史的な発見を横軸に現在の物理の状況まで展開して紹介した本である。
もちろん、アインシュタインが出てくる。
そして、例の「ブラウン運動」も出てくる。
やはり、間違っている(p131)
>花粉を水に入れたシャーレに浮かべ、顕微鏡でその動きを見てみるといい。シャーレは静かに置かれているので、水面が波立つことはない。花粉は水面に静かに浮かんでいるだろうと誰もが思うが、実際は違う。花粉はひとときもじっとしてはおらず、さまざまな方向にランダムに動いているのだ。これを発見者の名前にちなんで「ブラウン運動」と呼ぶ。
静かな水面で気がふれたように花粉が動き回る原因はなんだろう?犯人はシャーレの中の水だ。水分子が運動し、それが花粉を動かしている

あたかも自分がやったかのように、高説している・・・が、誤り
 
以前、何回もこの誤解を紹介しているが、
・花粉は、水分子がランダム衝突してつつきまわすには、大きすぎる
・花粉の中にある微細粒子が水面に出たとき、それが水分子につつきまわされる
のである。
文献受け売りの弊害とも言うべき。