物理学図鑑

著:福江 純、福江 翼、福江 慧
制作:WORKS+YTI 
オーム社(2021/12)
ISBN:9784274227707
本書表紙袖部解説:物理は字のごとく、物(もの)の理(ことわり)に関する学問です。

イラストを多用して「物理」をできるだけ分かりやすく解説した本。
ニュートン力学から超ひも理論まで、深い理解はともかく概要を捉えることを目的としているようだ。
これはこれで、硬い物理学教科書の副読本としての位置づけがあるか。

さて、同類書籍で一番に確認するのは「ブラウン運動」の説明箇所。
失格。
p264で、
アインシュタインは、(中略)液体や気体中で花粉が不規則に動き回る現象の原因が、分子の頻繁な衝突によるものだと理論的に説明しました。
とある。
「花粉」自体は分子からすると巨大過ぎるので実際には動くように見えない。
「花粉から流出する微粒子」が分子の不規則衝突の影響を受ける・・・のが正しい。
類書に多く見られる“参考文献引き写し”の弊害。