数学の歴史物語

古代エジプトから現代まで-
著:ジョニー・ボール
訳:水谷 淳
SBクリエイティブ(2018/07)
ISBN:9784797396287
数学の歴史に興味があり、当該分野に詳しい英国の司会者が表した数学歴史解説書。
最近詳しく判明した内容を豊富に含んだ内容で、数学のみならず科学の分野の発展まで詳述した本。

ニュートンは、同世代人のロバート・フックと仲が悪かったことから、フックの肖像画が後世に伝わっていない。
本書では、ニュートンが王立協会会長の時に、グレシャム・カレッジからクレーン・コートに引越をした際に、フックの肖像画がことごとく行方不明になった(p373)
とより詳しく紹介している。

さて、科学史本でいつも気になっている「ブラウン運動」の記述のところ(p388)

ブラウン運動とは、花粉に含まれているきわめて軽い微粒子が水中でまるで生きているかのように動き回るというものである。
これは、正しい。だが後述部で・・・

マクスウェルの数式に従って(中略)ある瞬間にはある特定の方向に動いている分子の方が必ず多く、その偏りのせいで花粉の微粒子は動き回る。
という表現は、
花粉=微粒子、が動き回る
のか、
花粉(内の)微粒子が動き回る
のか、
表現の正確性を欠いているところが、一歩足らない点。