ブラック・スワン

―不確実性とリスクの本質-
著:ナシーム・ニコラス・タレブ
訳:望月衛
ダイヤモンド社(2009年06月)
ISBN:9784478001257/9784478008881
原著は2007年、サブプライムローン問題に端を発する世界金融恐慌と時を同じくして世に出た。
予想外の出来事に対して人間が如何に対応できないかを順々に説いた本。

今や正に世界的に、予想外の出来事が配信されつつある。
人間はものを見れば必ず判断がついて回るようにできている。(下巻p64)
ロシアの海外向けニュースВести(ヴェスチ)を見れば、その“判断”が如何にロシア国内の世論向けに為されているかが明確に分かる。

人はただ、知識で目をふさがれないと気がすまないのだ。私たちは、人を惹きつけるリーダーの後を追う様にできている。(中略)みんなと一緒に間違ったほうへ進むほうが、たった一人で正しいほうへ向かうよりも得るものは大きい。
私たちが遺伝子を引き継いだのは、自分を振り返ってばかりいる頭のいい人についていった連中ではなく、我の強いバカについていった連中のほうだ。社会に表れた症状を診断すれば、それがよくわかる。頭の狂ったやつらが信者を集めている。(下巻p48-49)