元素をめぐる美と驚き

周期表に秘められた物語-
著:ヒュー・オールダシー=ウィリアムズ
訳:安部 恵子/鍛原 多惠子/田淵 健太/松井 信彦
早川書房(2012/11)
ISBN 9784152093370
メンデレーエフが元素の周期律表を作成し、空欄の位置に元素が存在することを示唆した後、指定席に相応しい元素が発見されて、現在に至っている。
特に興味深いのは、元素命名のいきさつである。
元素発見者が、発見時に属していた国情、情勢により、国威発揚またそれとは逆の国際的意識から元素は命名されていた。
発見者が付けた名前が通称とはならず、別の名前になっているものもある。
著者は、それぞれの元素に纏わる発見物語とエピソードを実際に関連する場所に足を運んでレポートする。
図版も豊富で、理解を助けてくれる。好著。
本書にはなかったが、113番目の元素名称として「ニッポニウム」が挙げられていることが数ヶ月前の朝日新聞に出ていた。
その後どうなったのだろう。