友人から聞いた話

友人から、最近聞いた話。
地球上の植物は、太陽光のエネルギで水を分解し酸素を放出し、二酸化炭素から糖を合成しているよね。
これは、光合成と呼ばれているね。
一般的に誤解されているのは、太陽光のエネルギで二酸化炭素が酸素と炭素に分解すること・・・なんだが、これは間違いなんだ。
光合成を行うのは、葉緑体ということはよく知られているね。
この光合成は、植物がその仕組みを生み出し、余剰元素の「酸素」を地球上に放散し、その結果において酸化作用をエネルギ源とする生物が何億年という時間をかけて繁栄してきたんだ。
この光合成内のエネルギの受け渡しは、「Z機構」と呼ばれていて、進化の過程でよくぞこのような精妙な光化学反応ができたものだと感じられるほどのメカニズムなんだ。
いまその反応をさらに改善し効率の良い人工光合成によるエネルギー危機解決の方策が発明されたんだ。
化石燃料は枯渇が必至であり、風力発電等の再生可能エネルギはコストが高く、太陽光発電はエネルギ貯蔵の観点からは不利という宿命があるね。
人工光合成の成果物は、化学的に貯蔵可能な性質があり、二酸化炭素を原料として使用するので地球温暖化に対する強力な武器となる。
植物の持つ光合成は実に感嘆すべきものだが、エネルギ変換効率の観点からは最適化されたものではないと言われてきたんだ。
このたび、これを飛躍的に改善する手法が開発されたんだ。
このような、革新性を帯びたものは、往々にして再現性が得られないとか、発明者のスキャンダルのみが報道されるとか、副次的な方向に流れていってしまうきらいがあるね。
この手法については、十分な追試を経た後にあの「ネイチャー」誌にも掲載される予定であるので、科学の持つ普遍性についても問題はない。
だが、なんといってものメリットは、人類の悲願であるエネルギ問題を解決したところにあるだろうね。
その発表はいつかって?

X年後の、4月1日だよ。