生物模倣

―自然界に学ぶイノベーションの現場から-
著:アミーナ・カーン
訳: 松浦 俊輔
作品社 (2018/5/10)
原題は、adaptで、原副題は、「いかにして人間は自然の秘密を利用してよりよい未来をデザインし、構築するか」
となっている。
「生物模倣」という言葉をググると、「バイオミメティクス」という言葉に当たる。
本書内では、「バイオミミクリー」という言葉も用いられている。
ウィキペディアでは、
「生物の構造や機能、生産プロセスを観察、分析し、そこから着想を得て新しい技術の開発や物造りに活かす科学技術」の意。
生物は、自然淘汰のなかで地質的に長い時間をかけてうまく適合するようにその構造や物質を進化させてきた。
とある。
本書は、著者が自然生物の仕組みを分析し応用展開する科学技術の最新の内容を取材した内容である。
コウイカの皮膚から、迷彩
・クジラのひれから、流体力学
・シロアリの塚から、建築
・葉の光合成から、脱炭素エネルギ
特に最後の「人工の葉っぱ」の光合成を再現することは、大変難しいことであるか・・・
局所内に「酸化」「還元」を生成する手法の限界(植物は、中性環境内で、それを達成している)を乗り越えることができないのだ。
また、発生するエネルギの価格は、家庭内でスイッチオンで手に入る商用電気に比して、高価になる不都合。
言うは易く行うは難し・・・をよく知った。
訳はよく練られていて違和感なかったが、内容はやや冗長な部分があり、もう少し短くてもいいのかな・・・と思う部分があった。