若い読者のための『種の起源』

―入門生物学-
著:チャールズ・ダーウィン
編著:レベッカ・ステフォフ
訳:鳥見真生
あすなろ書房
ISBN:978-4-7515-2937-9
版元の書籍紹介文:
生物学の礎にして、「もっとも世界に影響を与えた本」といわれる『種の起源』。
本書は、チャールズ・ダーウィン著『種の起源』(1859年第1版)を、
レベッカ・ステフォフがリライトしたものである。
大幅にボリュームが圧縮され、言葉も平易に置き換えられて、ダーウィンの思考過程がより明確になった。

ダーウィンが生存していた頃は、地球の年齢も、遺伝の仕組みも知られていなかった。
唯一彼が拠り所にしたのは、青年時代にビーグル号で世界を周回した時に見聞きした体験だった。
創造の神が全ての世界をかく有らしめた・・・というキリスト教の考え方以外は受け入れられることがないような時代に、彼はひとり長年うつうつと、コペルニクス的転回をするような考えを書き出していた。
そんなとこに、南洋からアルフレッド・ラッセル・ウォレスが、「生物の自然選択による進化」について記した論文についての手紙を送ってきた。
驚いたダーウィンは、先取権確保のために、書き溜めたものを論文にして、1858年7月にリンネ学会に提出した。
以降は、名が売れていたほうのダーウィンが圧倒的に名を成した結果になった。
その論文が「種の起源」。だが、原著の中身記述は長ったらしい。多くの図書館には日本語訳が収蔵されているだろうが、名著特有のくどさに結構辟易する。

で、本書。図版も豊富で、この程度に圧縮されていれば圧倒的に分かりやすい。
暮方駅前に佇立する面々に是非一読をお勧めしたい。