深層記憶を浮かび上がらせる

日中帯は、多事多端な事柄に翻弄されているので、じっくり思い出したりする時間は、夜の就寝時になる。
ゆっくりしていると、深層からいろいろなことが湧き上がってくる。
それらは、翌朝になると、すっきり忘れている。
ネタは一期一会であると思わなければならない。
で、これはいいなとそのとき思っても既に身体は半睡眠状態なので、やおら置き上がって筆記用具を探して手に取り、更にメモ用紙も確保し、体勢を整えてそれを書き留める・・・ということはほとんど不可能である。
ということで、ICレコーダの導入となった。
思い出して、これはいいなと思ったら、声に出し、それをレコーダが捉える・・・という目論見だ。
夜間は静かなので、無駄に録音時間を稼ぐことは後から聞き返す時間を考慮すると得策ではない。
ほとんどの録音機には、「VOX(音声起動録音)機能」が備わっているのでその機能をONにする。
よいことずくめのようだが、レコーダの録音起動は、音声レベルが設定値を超えたらなされるので、頭切れする。
「あいうえお」というと、「いうえお」というように、最初の一語が録音されない。
実際の対応としては、発話時に「えー」とか「あー」とか言ってから中身を喋ると全体が
録音されることで、解決できる。
丸坊主」は、この方法で深層意識から捉えたネタである。
ひとつ、主客転倒しているのは、声に出すことで表層記憶に上がってしまい、別段録音していなくても、朝そのことを忘れていないことである。