地底

―地球深部探求の歴史-
著:デイビッド・ホワイトハウス
訳:江口 あとか
築地書館(2016/01)
ISBN:9784806715054
我々が暮らしている「地球」だが、天文学的には太陽系第三惑星の位置付けにあるものの、意外とその内部構造は知られていない。
著者は、
月や太陽、宇宙旅行などに関する本や、ガリレオの伝記を書き終えた後、次の題材を探しp3
SF小説の古典であるジュール・ヴェルヌの『地底旅行』に行きつき、調べた結果、その奇異や驚きから本書を上梓した、とある。
SF小説をとっかかりに、最新の調査結果を軸に、過去からの地球科学者の探求の歴史、現在アクセス可能な地球最深部への訪問、天から降ってくる隕石の分析等いろいろな角度から地球表面から最深核に至るまでを仮想旅行する。
天文学者は一種の華やかさを持っているが、地球科学者はあまり知られていないことが多い。
日本人でこの方面に携わり、和達ーベニオフ帯を発見した、和達清夫は大きな影響を与えたのに真価を認められていない地震学者のひとりだろうp84
また地球時期反転で、
一番最近のものはブリュンヌーマツヤマ反転と呼ばれ(中略)地球の磁場反転が過去何回も起こったと唱えた日本の地球物理学者、松山基範に由来するp181
上記の先達者達は寡聞にして今まで知らなかった。
願わくば、地球内部の各部各層毎に、図版があればより理解が深まったかな・・とも思った。