「化学の歴史」が一冊でまるごとわかる

-化学はどのように生まれ、発展してきたのか-
著:齋藤勝裕
ベレ出版(2022年03月)
ISBN:978-4-86064-684-4
表紙にある本書の説明
化学とは何か。その歴史を眺めてみることは、「世界の歴史」を見ることに似ている。古代の四元素説五行説、原子論から錬金術を経て、現代の量子化学遺伝子工学などの生命化学までを俯瞰してわかりやすく解説する入門書。

本書は、筆者独自視点が垣間見えいて、その点を理解すると面白い。
・p40、では、「人類のアフリカ単一起源説」疑義を提起する
・p97、では、大航海時代知名度が低いディオゴ・カンとかジョン・カボットを紹介
・p116、では、平城京の時代(710年~784年)が比較的短かった原因を、752年完成の東大寺大仏建立による水銀公害:環境悪化と指摘

化学と言いながらも生物学方面の最近の話題:mRNAワクチンにまで言及している。その実質的な貢献者であるカタリン・カリコも紹介しても良かったのではないか・・・と思う。