新幹線

昔、これに係わる仕事をしていたことがある。
100系は、永らく続いた0系の初めての大幅モデルチェンジであった。
当時の国鉄は、労働組合の力が強く、特に運転系統と呼ばれる車両運行部門では、その最たるもので、その影響でもっと早くに行われたであろう新型導入が遅れた・・・と個人的に思っている。
車両研修(と呼ばれる点検保守作業)は、同じ型が続いていた方が、習熟し仕事がラクになるからである。
新型が入ると、新たなことを覚えないとならない。そんな、めんどくさいとんでもないことは、現場が簡単に是認しなかった・・・と個人的に思っている。
でも、如何に何でも、新型導入すべしの機運が高まった結果、100系車両が決定した・・・と個人的に思っている。
新幹線車両には、400MHz帯の列車無線装置が搭載されている。
これは、無線系が三菱電機、交換系が日立製作所にてそれぞれ担当となっていた。
特に、100系試作車両1編成の話題となった個室内装備の電話機については、小生が選定したセットが装備された。
当時、電話機は自由化夜明け前夜で、国内には、新型車両のイメージに合致する斬新なデザインのハンドセットは皆無であった。
600型ハンドセットの(性能は抜群だが)実用向きの外観では、最新の個室内には不向きと感じそれらしい外観のものを探した。
その結果、外国製のハンドセットをカタログで見つけ、輸入代理店サンテレホンに電話し来社願ったら、社長の息子さんがいらっしゃったことを覚えている。
その後本社、電気部松本さんに説明し、設置はスムーズに決定した。
公式試運転にも同乗できたが、残念乍ら、設置している場所の写真は撮っていない。残念なことをした。