タクシー、三話

○タクシーの運転手さんのナゾ
 数人のビジネスマンが、仕事の話をしながらタクシーを利用する場合、ほとんど運転手さんのことを気にせず、原語でやりとりしているはずだ。
 運転手さんも素知らぬ顔でいながら、否応無く耳にしているはずだ。
 中には、インサイダー取引に抵触するような内容もあるだろうに、そういう話を聞いたら、実際どうしているのだろう。
 
○同じタクシーに乗る確率
 東京都内に稼働中のタクシーの数は多いと思う。
 再度同じクルマに乗車することは、ほとんど有り得ない確率であると思う。
 小生は、1週間程度の期間を隔てて同じ個人タクシーに廻り合ったことがある。
 1回目、かなりお年を召した運転手さんだったので印象深かったのだが、
 2回目、手を挙げたらそのクルマが目の前に停まったときは、わが目を疑った。
 運転手さんにそのことを伝えたら、珍しいことだがたまにある、と言っていた。
 
○打ち解けたタクシーの運転手
 通常、タクシー乗車は一期一会である。
 会話も、天候野球ニュース程度の他愛無い内容に終始する。
 あるとき、乗ったタクシー。
 愛想は至って普通であった。
 が、こちらがなにか(詳細は忘れたが)話題を振ったら、突然打ち解けて家庭のことを喋りだして止まらない。
 特に印象に残ったのは、
 奥様とは再婚で、連れ子が女の子でひとり。
 小学校低学年のとき、一度だけ一緒に風呂に入ったことがある。
 そのときのことは一生忘れない・・・と。
 応答に窮した。