地球から来た男

地球から来た男―宇宙への挑戦
著:バズ・オルドリン、マルカム・マコネル
原著:Buzz Aldrin, Malcolm McConnell
訳:鈴木 健次、古賀林 幸
角川書店、ISBN-13:978-4047032330
1992/11月初版
1969年7月に人類最初の月着陸を成し遂げた宇宙飛行士が彼の体験を綴り、共著者がソ連の当時の動向等の周辺情報を肉付けした本。
翻訳された内容でも、オルドリン氏の素朴な人柄が偲ばれる。
2005.6/8、映画「月のひつじ」、としてアポロ11号と交信したパークス天文台の話を取上げている。
このことは、本書中p357に、
「追跡ステーションはほかにも二つ、スペインのマドリード郊外とオーストラリアのキャンベラの近くにもあった」
という表現で、さらりと出てくる。
氏は、その後目標を達成した虚脱感から鬱病になり、その後回復され本書を著した、と訳者あとがきにある。
目に見えるもの見えないもの・さまざまな生命に囲まれている地球から飛来し、完全死の世界の「月」に立った人間が、生命と無との差異、即ち意識をもつ者対無、の対比との向き合い。そこにある種のショックを受けたのではなかろうかと思う。
1992年当時のアポロ以後の大気圏外熱一息状況の中、惑星外探検の夢を語っているが、昨今の地球上では、専ら地球温暖化対策で空を見上げる余裕が無い状態である。
まずは、ほとんど唯一無二の存在の地球をどんげかせにゃ、ならん。
 
同種の本としては、2006.5/2に、「人類、月に立つ」を取り上げている。
同年、8月お盆の時期、深夜時間帯に1度だけNHKで放送された、素晴らしい海外ドラマが、
Space Race 宇宙へ 〜冷戦と二人の天才〜
である。
これは米国のフォン・ブラウンソ連セルゲイ・コロリョフの二人がそれぞれお互いを知らないまま、それぞれの体制下で宇宙進出競争を繰り広げる様子を手間をかけて描いたドキュメンタリードラマである。
その後、版権の関係か、DVD化された後、再放送はされていない。
上記の本では、ソ連のロケット設計部長「コロレフ」として出てくる。
また、数少ない宇宙飛行士を支える数多くの裏方の存在を忘れてはならないと思う。