ケプラー疑惑

ケプラー疑惑―ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録
ISBN:9784805207765 (4805207760)
地人書館 (2006-06-01出版)
著:ジョシュア・ギルダー、アン‐リー・ギルダー
訳:山越 幸江
圧倒的に有名なのは、「ケプラーの法則」のヨハネス・ケプラーの方であろう。
その法則の礎となった膨大かつ正確な観測記録を蓄積したのが、ティコ・ブラーエである。
近年ブラーエの頭髪を精密に分析する機会があり、急性有機水銀中毒に(2回も)罹り死去した可能性が高いことが判明した。
状況証拠から、一服盛ったのはケプラーのこれまた可能性が高いことを著す。
歴史は繰り返さないが、ティコ・ブラーエ自身では、惑星運動法則を発表したか、どうか。
ティコの宇宙体系は正しくない、とケプラーは見抜いていた。
しかしケプラーには基礎データが無い。名誉を得たいがためにやってしまったか。
当時は訴追は免れたようだが、天網恢恢疎にして漏らさず。
万有引力の法則(ニュートン)以前の、「神」が宇宙を支配する体系下での哀しい出来事といえよう。