降車・着座

毎日電車に乗っていると、途中駅で降りる人がだんだん分かってくる。
人間、楽をしたいので、朝電車が滑り込んで停車する時から、ガラス越し顔ぶれのチェックを始める。
車内に一歩踏み込む時、その方々が当日どこに座っているか、また前に誰か立っていないかを素早く確認する。
皆さん考えることは同じようで、そのような方々の前にはほとんど待機者が吊り手を掴んでいらっしゃる。
次善の策は、次の次の駅で降りる人の前に出張ること。
こうして、毎日が過ぎ行くのであるが・・・
先日、次善の策を実行中、いつも降りる駅に着いても、降りない。
その彼は居眠りはしていないので、意志を持ってそうしてるらしい。
そうか、今日は運が悪かった・・・今日だけ行き先が違うんだ・・・
・・・素直にあきらめて立って行こう・・・
と思った次の瞬間・・・彼が立った・・・しかしドアが閉まる。
小生は、座る。彼は、降りられない。
電車は、発車する。
小生は、鞄から本を取り出し読み始めたので、その後は知らない。