宇宙を織りなすもの

―時間と空間の正体-
著:ブライアン・グリーン
訳:青木 薫
草思社 (2009/03/02 出版)
ISBN: 9784794217004/9784794217011
現代物理学の研究状況を一般向けに著した本。
ある概念を理解したと言える条件は、そのことを他人にソラで自分の言葉で講義できるようになること、と思う。
この本を読了し、その内容を他の人に伝えることは、とてもできないと思った。
我々が日常暮らしているこの世界は、ニュートン物理学でほぼ問題なく記述できるし、現実的にはアポロ宇宙船が月に行き、無事に帰還する経過の地球〜月間の軌道理論は、ニュートン力学で過不足なく計算され実行されている。
ひとつ学んだことがある。
今まで疑問であったこと:宇宙全体における重力(万有引力)の法則の影響は、どのような速度で伝播するか?
である。
回答:光の速度。と明確に記述してあった。その説明に納得した。
 
量子力学的世界からしたら、この時空は10次元なのだそうだ。また、ブレーンワールドシナリオによれば、ビッグバンは必ずしも必要としない。さらに、フォログラフィック的にはこの世は2次元世界の投影かも知れない。空間は、ヒッグス粒子に満たされている。・・・等々、これらの根拠を他人には全く説明できない。
「この世界」を理解しようと努力する人類の意識とは、なんだろう。