シマウマの縞 蝶の模様

―エボデボ革命が解き明かす生物デザインの起源-
著:ショーン・B.キャロル
訳:渡辺 政隆 経塚 淳子
光文社 (2007/04/30 出版)
ISBN: 9784334961978
ティーヴン・ジェイ・グールドの「個体発生と系統発生」に影響を受け、発生生物学に進んだ著者の、人間を含む生物が如何に進化論に基づいて、かのようなヴァリエーションを持つに至ったかを説く本。
シマウマは、白地に黒か、黒地に白か、は科学エッセイ等でたまに取り上げられている。
本書の著者によると、「実際の発生メカニズムはまだまだ謎だらけ」p291
だそうで、知見が深まれば深まるほど、簡単に白黒を論ずることができない、自然界の奥深さを感じる。
p60に、サリドマイドの説明として、「妊娠中の吐き気を抑えるために開発された」とあるが、
ウィキペディアでは、
「もともとはてんかん患者の抗てんかん薬として開発されたが、効果は認められなかった。その代わりに催眠性が認められたため、睡眠薬として発売された。
(中略)
妊婦のつわりや不眠症の改善のために多用されたことが後の被害者増加につながった。」
とあるように、主目的の「睡眠効果」の方が良いのではなかろうか・・・
これは、訳者ではなく、原著者の認識問題ではあろうが。