人類の住む宇宙

著:岡村定矩、池内了海部宣男佐藤勝彦、永原裕子
日本評論社 (2007/01 出版)
ISBN: 9784535607217
日本天文学会の創立100周年記念出版事業
我々人類は、その存在を第三者的な見地から客観的に眺めることができる。
これは、他の動物にはない特徴である。
即ち、なぜどのようにして今自分が存在するのかの理由を求め、それに対する答えを追求するということである。
過去、それに対しては、宗教が一定の役割を果たしてきた。
現在では、天文学がかなりの範囲でその答えの近傍まで行き着いている。
2012.2/3「隠れていた宇宙」で主題であった、宇宙開闢時の多元宇宙論が、第2章「宇宙の起源と現在の姿」でも紹介されている。
カオティックインフレーションモデルと呼ばれているモデルで無限に宇宙が生まれ続けることを示している。(p60)
「隠れていた宇宙」でも、「無限」であるからには、確率的には今我々と同じ世界が広がる宇宙が有り得、そこには同じあなたが、また、いる・・・但し交流することはできない。
のような説明がなされていた。
「隠れていた宇宙」を読んだときは、ほとんど、意味がないような考えだと思っていたが、
本書でさらりと「無限」の存在を紹介されると、学説には有るのかと納得。
さて、興味深かったのは、「カーナビと相対性理論効果」
GPS衛星からの電波受信時に相対性理論により、GPS時計は100億分の4.46秒早く進み、1秒間に13cmの違いとなり、1分間に7mの差となることからカーナビ受信機はすべてこの相対論的効果を補正している(p302)
というのだ。
すごいことだと素直に感心。