パレオマニア

大英博物館からの13の旅-
著:池澤 夏樹  
集英社インターナショナル(2004/04/30 出版)
ISBN:4797670959
大英博物館は、「無料!」で入れる、世界でも名だたる施設である。
その収蔵品は、英国が、古今東西の美術品を収集してきた証である。
著者は、「月刊PLAYBOY」誌とタイアップして、大英博物館の収蔵品からヒントを得て、それらのオリジンを確認する旅に出た。
ハワイイ紀行でもそうだったが、たいへん読みやすく、中身が濃い内容である。
コレクションの母体は、第7代エルギン伯爵が、ギリシアアテナイの丘に立つパルテノン神殿から持ってきた彫り込まれていた諸彫刻で、エルギン・マーブルとして知られている。
書中でも著者は触れているが、世界各地の美術品はそれが創造された場所に根ざしている。
が、いちいちそれらを知ることは大変である。
いわゆる、博物館があれば、そこに赴くだけで概要に触れることができる。
1974.07/30に、その大英博物館に行ったことがある。
一時期太陽の沈まぬことは無い国と標榜された程、確かに、素晴らしい収蔵品であった。
進出して、調査して、持って帰ってくる、という一種帝国主義的なことはその時期があればこそ可能であったのだろう。