宇宙観5000年史

―人類は宇宙をどうみてきたか-
著:中村 士/岡村 定矩
東京大学出版会(2011/12)
ISBN:9784130637084
出版社内容情報
古代四大文明から現代のダークエネルギーまで、宇宙観の変遷と科学の発展の歴史を、豊富な図版や写真でたどる。
古代文明は発祥したとき、支配者層はその正当性を含めた世界観を被支配者層側に示す必要が生じた。
その中には、当然、この世界はどのような仕組みで成り立っているかを示すことも含まれていた。
太陽の方が一日一回ぐるりと巡る・・・この世は天動説だ・・・と言うのはごく自然な考え方であった。
しかし、天体観測データが集成されるにつれて地球が太陽の周りを巡るというコペルニクス的転回の地動説の方が正しい・・・ということになっている。
物体の運動についても、初期条件を全部揃えれば、正確にトレースできる・・・というニュートン学説も、不確定性原理の導入により、揺らいだ。
宇宙全体を成す構成物質についても、ダークエネルギーダークマターが90%以上を占めることは、最近認識された。
以上のことは、日常では考えなくても生活できる。
しかし、我々はどこからきてどこにいくのか?そもそもわれわれは何者か?ということについて考える手助けを本書はしてくれる。
この宇宙のなかに人類以外に知性をもつ何者かがいるのか?
について重要なヒントを与えてくれる。
盆休みの読書対象として、好著。