マヤ探検記

―人類史を書きかえた偉大なる冒険-
著:ウィリアム・カールセン
訳:森 夏樹
青土社(2018/05)
南米の古代文明:マヤ、を探検した二人組の物語である。
米国は西部開拓中、中米は政治的混乱中で、現地の遺跡は密林の中に打ち捨てられていた。
なにか古代の建造物があるらしい、ということを人づてに聞いて、ジャングルに分け入った二人。
一人は記事、もう一人は作画。
マヤ文明自身は、800BC~950ADまで存在したと本書にある。p15
当時、石に彫られた意匠は解読できなかったが、彼らは旧世界のものとは全く違う文化であったと見抜いた。
文明が衰退し、自然に返り繁茂した植物を切り開く中、襲い来る害虫、発病するマラリア
写真技術黎明前のため、手で描写するしかない、常識外れの装飾文様。
多くの困難を超えて、西洋文明に初めて紹介された「マヤ文明」。
その二人の人生の終わりまでを丹念に描写した、力作。
探検地図が上巻にしかなく、下巻を読むときに少々不便を感じた。