人類進化700万年の物語

―私たちだけがなぜ生き残れたのか-
著:チップ・ウォルター
訳:長野 敬/赤松 眞紀
青土社(2014/04)
ISBN:9784791767731
ホモ・サピエンスは、一種類でこの地球上で大きな成功を収めているヒト族である。
この700万年間に、著者の分類によると他の26種類の人類は絶滅した・・・という。
なぜだろう? と問い。分析した本。
初期は、脳の容量の小さく、身体的にも不利だった。
進化の中で、頑丈な体形を持った人類もいたが、退場した。
特に、ネアンデルタール人とは、隣人関係を築く時期もあったようだ。
なぜ彼らは滅んだのか?
著者は、幼生の特徴が保たれる現象:ネオテニー、がそれを解く鍵だという。
ネオテニーという言葉はユリウス・コルマンが作った言葉(p49)
胎児が誕生し、成長する途上で、脳は小さく生まれるが大きく成長する。
社会的なつながりのなかで、学習する内容が濃いことが、我々を我々足らしめた。
脳の能力の一例として、自閉症がもたらすサヴァン:天才の事例として、ルイス・キャロル、チャールズ・ダーウィンアイザック・ニュートン、ヴォルフガング・モーツァルトが含まれる(p258)
幼少時の教育の大切さ。
 
口絵「人類の拡散」で、出アフリカのルートがシナイ半島経由となっているが、本文中では、
バブ・エル・マンデブ(嘆きの門)と名付けられた場所で、
イエメンに達した(p128)
となっている。
口絵も手直しした方がよいと思う。