移行化石の発見

著:ブライアン・スウィーテク
訳:野中 香方子
文藝春秋(2011年)
ISBN:9784163739700
米国では、依然として進化論は微妙な事項になっているらしい。
著者は、創造論者が掲げる、
「地質学的記録からもわかるように、動物の新しい形態の誕生は(中略)きわめて自然な成りゆきであり、(中略)そのプロセスには、すべてを外の物理的状況と調和するように配置なさった全能の神の意志が読み取れる(後略)」p88
風潮が跋扈するできごとに直面したことから、本書を著した。
ダーウィンが進化論を提唱した頃には、
「恐竜などの絶滅した動物は、化石記録のなかにいきなり出現し、別の種に移行する兆しを見せないまま消え去った。」p103
ように見えた。
当時は、豊富な化石発掘結果が得られなかったからだ。
現在のように移行化石が数多く掘られている。その成果として・・・
哺乳類であるクジラが、なぜ、また海に帰ったか。
ウマの顔は、なぜ、長いのか。
ゾウは、なぜ、二種まで減ったか。
について、得られている豊富な例を用いて進化を説明する。
巻頭、「ザ・リンク」のイーダ(2009.11/19)について、
我々の祖先につながる系統ではない、と言う(p23)
「イーダ」は最近日本にも来ていたようだ。