骨が語る人類史

著:ブライアン・スウィーテク
訳:大槻 敦子
原書房(2020/02/19)
ISBN:9784562057245
骨は「水酸化リン灰石で石灰化し、I型コラーゲンを含んでいる」(p11)内骨格動物の構造物質に過ぎない。
進化の歴史から眺めると、バージェス頁岩のピカイアを始祖とした脊索構造から始まっている。
以降の歴史による骨の発達及び人間の骨に関する奇病を解説する。
ヒトの骸骨特に髑髏は、生前のその人物との同一性を連想させるので、人間の他の部分の骨よりも見た時の衝撃が大きい。
筆者は、特に筆者個人が死亡後にその骨をどのように取り扱いされるか・・・について大変気にするように記載している。
p146に、
スペインの洞窟壁画を新たに分析したところ、現生人類ではなくネアンデルタール人が作ったものであることが明らかになった。
とある。出典は記されていない。これは・・・ちょっと違うだろう。

かつて発掘されたネアンデルタール人の(シャニダール4号)遺骨の周辺で植物の花粉が見つかったことから想起されること:葬送、について、最近では花粉媒介昆虫の可能性が指摘されるとある。(p150)

骨に関しては、かつて“骨相学”が、“優生思想”との結びつきで、「科学」とは縁のない方向に至ってしまったことも紹介している。
自然を客観的に理解しようとする試みはいつも、人間の文化という枠にはめ込まれる。(p190)