神は数学者か?

−数学の不可思議な歴史-
著:マリオ・リヴィオ
訳:千葉 敏生
ハヤカワ文庫(2017.9)
ISBN:9784150505073
数学は発見か?発明か?
数学は発見・・・プラトン主義:世界の背後にある真理
数学は発明・・・人間が現実を説明できるように数学を構築
という見方について、歴史的状況を元に解き明かすことを試みた本。
完璧と思われた古典的ユークリッド幾何学が、平行線の公理の綻びから怒涛を打って「非」幾何学が展開するところは、「発明」に分があるように思われた。
著者は、数学的な概念は発明だがその概念相互の関係性は発見だという。
例の有名な夭折したガロアの「群論」は後年物理学の進歩に貢献したと聞く。
この場合は、どちらにあたるのか?
最後に著者は、バートランド・ラッセルの言葉、「明確な解答を得るために哲学(科学)を学ぶのではない。むしろ問いそのものを目的として哲学(科学)を学ぶのであり、そのことが知的想像力を豊かにしてくれる」を引用して、自然科学への深い敬意を表しているところあたりが、〆の言葉か。