著:カルロ・ロヴェッリ
訳:竹内 薫、栗原 俊秀
河出書房新社(2017/5/22)
ISBN:978-4-309-25362-6
出版社内容情報:物理学の学生でさえ感動する「世界一わかりやすい最先端物理学」をまとめた世界的ベストセラー。量子重力理論が本当に理解できる
本書の原題は、「目に映る姿とは異なる現実世界-ものの基本的な構造」だが、なぜそれにしなかったのだろう・・・
古典的なアナクシマンドロス,レウキッポス,デモクリトス等のギリシア哲学者による原子論からこの世の成り立ちの考え方を説き起こす。
2017.07/25のスティーヴン・ワインバーグ著の「科学の発見」ほどには、古典科学者達をシニカルに描いていない。
著者が力を入れて説明する「量子重力理論」の説明については、残念ながら?さっぱり分からなかった?と言わざるを得ない。
今先端の物理学をいえば「(超)ひも理論」なのだが、著者は「ループ量子重力理論」を推す。
CERNの実験でも、ひも理論で期待された結果が得られていないことにさらりと触れ、自説の優位性を仄めかす。
結論部で、「科学」のスタンスを力説しているが、弊方もまったく同意である。
目の前の小さなことの中に、科学の真実があり、それを見るか見ないか、見ようとするか見ようとしないか、その差で人生の意義が量れるということだと理解した。