明日をどこまで計算できるか?

-「予測する科学」の歴史と可能性-
著:デイヴィッド・オレル
訳:大田 直子、鍛原 多惠子、熊谷玲美、松井信彦
早川書房(2010/1/22)
科学史を振り返ることで、過去の科学者が如何に宇宙の仕組みを考え、未来予測に踏み出していったかを解説することから始まり、
現在の知見から天気予報、病気克服、経済予想に対する科学の立ち位置を述べ、
未来の地球の姿を著者なりに予想する。
特に今話題の「地球温暖化」について、何故地球住民の意見が纏まっていないのかを説明する。
どのような「明日」を迎えることができるか・・・未来をどのように考えて、今、どのように行動するかにかかっていると、著者は主張する。
1899年のスウェーデンのオスカル二世が気になって夜も寝られなくなったため、安心するために「太陽系の安定性に対する論文」を公募した理由:ある日地球が軌道を外れて太陽系外を目指し、それにつれて太陽が次第に小さな点になっていくようなことがないとは、誰にわかるだろうか・・・
に対して堂々の理論を展開したポアンカレではあったが、その彼が図らずも「カオス」の存在に気づいた契機として紹介されている。p112
血液型がAB型の人(全人口の約4%)はコレラに対して免疫がある・・・ことは知らなかったp213
誤:モアイ像の多くが元に戻され、本や雑誌の表紙から警告するかのように外を見つめている。p293
正:モアイ像の多くが元に戻され、本や雑誌の表紙から警告するかのように内を見つめている
数人が和訳に携わったことから用語のブレがある。
第1章、p37:エンペドクレス
第4章、p138:エムペドクレス