魂に息づく科学

ドーキンスの反ポピュリズム宣言-
著:リチャード・ドーキンス
訳:大田 直子
早川書房(2018年10月)
ISBN:9784152098078
無神論の旗手である筆者が過去に発表したエッセイ・講演録を纏めた本。
著者まえがきからして、
アブラハムの宗教―歴史の悪戯でいまだに世界を苦しめている、つまらないケンカばかりしている三宗教―の狭量さ(p11)
とバッサリ切って捨てる。
米国アラバマ州では、州立学校の生物の教科書に「創造論」に基づいた「アラバマの挟み込み文」一葉というものがあるらしい。
著者は、当該文に対し各行分析した講演内容は、中身が濃い。
信仰とは証拠にもとづかない信念であり、あらゆる宗教の主たる問題点(p326)
そして科学は宗教の一種ではないと述べ、意見の合わない人たちと喜んで議論します。殺したりはしません。(p344)
と表明する。
創造主:神、は誰が創ったのか・・・に思い至れば、宗教の拠り所が破綻することが理解できる。