タングステンおじさん

―化学と過ごした私の少年時代-
著:オリヴァー・サックス
訳:斉藤 隆央
早川書房(2016/07発売)
ISBN:9784150504724
著者は、「妻を帽子とまちがえた男」の作者で、映画「レナードの朝」の原作者で、英国生まれ米国で神経学者として活躍された方。
幼少期、多くの親類が周りにいる中で特にタングステン電球会社にいた叔父に絡めて、自身の化学物質実験を通して、物質科学発展の歴史を記している。
タングステン」の語源も「ライムライト」の語源も、初見だったが、もうネットでそれらは検索可能であるので、ここには記さない。
著者の祖父がコサックに徴用されるのを嫌ってロシアから英国に亡命したことから一族の歴史が始まる。
母は、スズや亜鉛を折り曲げると特別な「鳴き声」を上げるのだと教えてくれた。「結晶構造が崩れるせいなの」私がまだ五歳でとても理解できないことだと忘れているようだった。(p11)
この母にして、この子あり。