ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法

−世界を変えた20の野菜の歴史-
著:レベッカ・ラップ
訳:緒川 久美子
原書房(2015/01発売)
ISBN9784562051311
著者は米国バーモントの児童文学作家である。
野菜に対する古今東西の薀蓄が語られる。
但し、種類は西洋ものが主である。
トウモロコシの起源として、テオシントであった、という説がウィキペディアにあるが、
本書では、
起源も未解明のままだ。(上巻p143)
とある。
安易にネットに頼らず、自分の納得できない意見を取り上げていないのは潔い。
また、エンドウマメの交配の研究は、「メンデル」が定説だが、
なんと、その約50年前に英国のトマス・アンドルー・ナイトが類似の事象に気付き、
メンデルの法則の一部を検証したが、彼は結果の解釈において理論を組み立てることができることに気が付かず、
”ナイトの法則”で構成に名を残すことができなかった。(下巻p55)
このことは、ウィキペディアにもある。
さて、カボチャには、大型化する品種がある。
どちらが大きいかで言い争いになることから、英国の実業家のサー・ヒュー・ビーヴァーは1995年にギネスブックを作りはじめた。(下巻p121)
これは、ウィキペディアの記載内容とは異なっている。
本の紙の厚さをもう少し薄いものにすれば、上下巻に分けることなく出版できたのではないか。