シルクロード全史

―文明と欲望の十字路-
著:ピーター・フランコパン
訳:須川 綾子
河出書房新社(2020.11)
ISBN:978-4-309-22814-3/978-4-309-22815-0
欧州からアジア間の交易路としての「シルクロード」についての歴史を語った書物。
古くは信仰伝来、そして欧州の征服、石油確保のためのせめぎ会い、ソ連・米国の勢力争いの葛藤等、オバマ政権までの現代史が語られる。
その時々で勢いのある国が勢力圏を分け合っている。(下巻p181)
・15世紀:スペインとポルトガルのトルデシリャス条約
・20世紀:ペルシア石油はイギリス、サウジアラビア石油は米国、中間国は共有
・20世紀:第二次世界大戦後に行われた連合国首脳が行った分割協議
特に、イラン、イラクアフガニスタン近現代史は、「敵の敵は味方」と言えるほど、近視眼的なダブルスタンダードで、ソ連と米国がそれらの国々を蹂躙したさまが詳細に語られる。

上巻、p295でボドリアン図書館でセルデンの中国地図発見、の件に触れられている。
2017.01/03に当該本を紹介している。

下巻、p250で、
必要とあらばペルシア湾に地雷を仕掛ける
とあるが、
必要とあらばペルシア湾に機雷を仕掛ける
であろう。