知ってるつもり

─無知の科学-
著:スティーブン・スローマン/フィリップ・ファーンバック
訳:土方 奈美
早川書房(2018/04)
ISBN:9784152097576
世界は複雑なことは自明で、すべてを知ることなどとてもできない。個人が知っている情報はごくわずかであるというという意味において、個人は無知である。(p275)
何かに対してはっきりした意見を持っているという事実によって、私たちは自らの意見には確固たる根拠があると思い込む。(p178)
・宗教は、全てを説明できる
・科学は、全てを説明できない
ここに、断絶が生じる。
人間と技術間のUIについて、著者は、
人間とテクノロジーとのあいだに共通認識はない。(p155)
と語る。
今所有中のクルマには、すべての車速に対応するACC機能が装備されている。
車間距離に依って「加速」「減速」するが、残念ながらワンパターンの制御しかない。
保険会社提供ドラレコの“AI”では、その犬の卒倒を「急加速、急減速」、と判断するようで、ACCをONにすると、盛んに警告音声を発する。
周囲状況に見合った加減速は、(今のところ)人間にしかできないようだ。

著者の記憶違いを指摘したい。
p43の
城壁の外に置かれた木馬の中から
は、
城壁の中に置かれた木馬の中から
ではなかろうか。