にっぽんセクシー歌謡史

著:馬飼野 元宏
リットーミュージック(2021年05月)
ISBN:9784845635160
お色気歌謡またはエロ歌謡言い換えてセクシー歌謡と呼ばれてきたジャンルのレコードの歴史について、著者が実際に聞きこんで歴史に纏めた本。

ラジオから流れる各種の曲の中で、幼児にはなんのことか理解できないが、大人は確実に反応していた範疇のものがあった。
人間の源泉的な欲求に訴える手段を採用することで財布の紐を緩めることを目的としたレコード産業。
歴史的には、資本を管理する男性視線から企画制作されたが、商品として搾取された女性が年齢を経るに従って女性の立場からも発信することができるようになっていったのがよく分かる。

レコードは、A面だけではなくB面も、更には(粗製乱造気味の)30センチLPアルバムに至るまで曲の評価があり、それぞれYouTubeで再確認することができる。

山本リンダは、今TVに出演すると「どうにもとまらない」くらいしか歌わせてもらいない(そのようなイメージ)が、今回、「エレガンス」「真っ赤な鞄」「奇跡の歌」を初めて聞いてその独創性に脱帽した。