僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない

-この世で一番おもしろい宇宙入門-
著:ジョージ・チャム /ダニエル・ホワイトソン
訳:水谷淳
定価:本体1,800円+税
ダイヤモンド社:2018年11月
ISBN:978-4-478-06954-7

宇宙はなにからできているのか・・・
5%:某らが知っているものすべて
27%:ダークマター
68%:ダークエネルギー
知っているものとは、宇宙の中のすべての恒星惑星等元素として表されるもの。
残った95%のものは、あることは分かるが何かは分からない。
宇宙の中「知っているもの」には、もちろんごく僅かの割合で「地球」が入っている。
本書は、それらの「知らない」ことが何故「分かっている・分かったのか」ことを解説した本。
ユヴァル・ノア・ハラリは、「サピエンス全史」で、
宗教:世の中のことは我が宗教ですべて説明でき解明できる
科学:世の中のことは科学では説明できないことが多く、分からないことも多い
と説明した。
本書はまさに「科学の入門書」として最適である。

この宇宙にまつわる考え違いの多くは、ほんの身の回りの経験をどこでも共通だと決めつけてしまったせいだ。たとえば何千年ものあいだ人類は、自分たちが宇宙の中心だとか、もっと悪いことに、自分たちの世界が宇宙全体であって、星や太陽は自分たちのためにあるんだなんて思ってきた。(p399)

確固とした立ち位置を求め、分かりやすい救護所に逃げ込みたい人々はどちらを好んできたのか・・・明解だ。

鳥山明のデフォルメをAIで再現できないか?

Dr.スランプにはデフォルメされた世界のクルマが独特の省略法で描かれていた。
そのデフォルメ手法は、他人では簡単にマネができない味がある。
他のクルマにも展開したら面白いと思う。
そこで、考えたのは人口知能。
実車からイラストへの展開相関をAIに覚えさせれば、描かれていないクルマ群も“鳥山明”風に得られるのではないか・・・
と初夢で考えたが、著作権の関係で、公にはできないものになる可能性が高いだろう。

NAS内収納映像をiPAD miniで見た

結局、トランスコード機能を搭載の
BUFFALOのMyBoxDLPA 2.0対応ネットワークHDD 3TB LS411D0301X
の中古品をアマゾンで購入。
・本体:18,810円
・Dixim Play SE:1,430円
で見られるようになった。
眼前に映像が展開するので、細部まで確認できて大変良好。
音声は、BTイヤフォンでステレオ感が楽しめる。

いだてん総集編

一年間日曜夜放送されていた大河ドラマの年末集成版。
まことにテンポよく展開する。
NHKならではの秘蔵映像満載。
落語の件は、余計なのか、味付けなのか、と思っていたが「富久」がキーワードなんて・・・原作者の意図がやっとわかった。
東洋の魔女について、監督役の件が無ければもう少し盛られていたか・・・

ささやかな知のろうそく

ドーキンス自伝2─科学に捧げた半生-
著:リチャード・ドーキンス
訳:垂水雄二
ISBN:9784152096715
早川書房:2017/02/23
「訳者あとがき」から
このドーキンス自伝の第2巻は、精神の形成史を語った第1巻とはちがって、さまざまな活動を通じて出会った人々との交友録が中心となっている。(中略)欧米には、現在でも「知的エリート社会」が厳然として存在するということ(p621)
を十分知ることとなった。
随所に参考サイトやYouTubeURLが記載されており、時々の資料を参照することができるので、本文通読がなかなか進まなかった。
恣意が介入しないようなオックスフォード大学の論文選考の仕組(p68)
2001年宇宙の旅」の冒頭のヒト族の先祖のバク狩りは誤り(バクはアフリカ出現せず)(p95)
クリスマス講演の前に講演者は「ファラデー小屋」に閉じ込められる理由:土壇場で逃げ出した人物がいたので、その対策のため(p176)
等は、プチ知識。

創造論者との対話での振舞い(p318)
は、本書内にリンクが無いので、
https://www.youtube.com/watch?v=1XrOscFu1y8
を参照されたし。

p177の
あのホイートストン橋という名の由来となった
は、
あのホイートストンブリッジという名の由来となった
の方が電気関係では普通に通用すると思う

p210の
動物相のほとんどの種が人を恐れず、
は、
動物相のほとんどの種が人を恐れて、
ではないだろうか。

好奇心の赴くままに

ドーキンス自伝1─私が科学者になるまで-
著:リチャード・ドーキンス
訳:垂水雄二
ISBN:9784152094575
早川書房:2014/05/23
訳者は、
彼が自伝など書くはずがないと勝手に思い込んでい(p421)
たと記している。
弊方も、中身はどうかな・・・と思い手に取ったが・・・
実に面白い。
ドーキンス本人に至る系譜、幼少をすごしたアフリカ、英国での生徒・学生時代の葛藤、信仰からの離脱、『利己的な遺伝子』を刊行するまで、について記憶の豊富さに目を見張る。
青少年期の学習について、
学生時代は、十代で無駄に消費されるにはあまりにもったいない。ひょっとすれば、熱心な教師たちは、ブタの前に真珠を投げる代わりに、生徒たちが真珠の美しさを評価できるだけの大人になるよう教える機会を与えられるべきなのかもしれない。(p204)
には、同意する。
創造論者が唱える内容に対し、
宇宙をデザインすることができるいかなる神も、自分自身をデザインする誰かを必要としたはず(p221)
と喝破する。