DNAでたどる日本人10万年の旅

−多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?-
著:崎谷 満
昭和堂 (2008/01/20 出版)
ISBN: 9784812207536
歴史が文字として記録される以前、日本列島に渡来してきた人々のルーツをDNAのY染色体分析を通して、現在得られる最新情報分析を著した本。
今や、出アフリカから分派したグループが、北方西方南方から流入してきた様子の概要が分析できる時代なのだ。これは素晴らしい。
往々にしてこの種の本は淡々と分析結果を叙述するような傾向になるが、これは違った。
遺伝子の分派系統の分析結果から、石器時代の人々が見えてくる。
北にはアイヌが環境に負担をかけない文化を維持し、南には琉球の人々が東南アジアや大陸との交流を含んだ文化を維持し、中間部にはユーラシア大陸の生存競争に敗れた人々の系統がお互いに共存して現在に至ったと示す。
以前、NHKの特集番組で「日本人はどこから来たか」のような名称でシリーズ番組を制作していたように記憶している。
「DNA分析から新たに分かった日本人のルーツ」のようなタイトルで、グラフィカルに再構成番組をお願いしたいところだ。