天才が語る

サヴァンアスペルガー共感覚の世界-
著:ダニエル・タメット
訳:古屋 美登里
講談社 (2011/02/01 出版)
ISBN: 9784062155137
かつて自閉症でありながら天才という所謂「サヴァン」である著者が、その考え方を著した本。
自閉症は、ポジティブな現れ方をすると、記憶の天才としての面がある。
その例が、映画「レインマン」である。
本書でも、もちろん言及されている。が、しかし、
とあるレストラン内で、テーブルから落ちた爪楊枝の数を一瞬で数えられたかのように、映画では描写していて、数に対する天才ぶりを表現している箇所がある。
観客は、なるほどすごい、と感心する場面だが、実際に百本以上一度に落ちれば他のものの下敷きになって計数不可能のものが必ずある・・・と著者は指摘する
サヴァンは、一把中の個体数に興味があり、事前に全数がいくつあるかを調べて知っていた・・・ということらしい。(p34)
その映画のエンドロールに、Ph.D.の肩書きの方々が複数人でるため、各エピソードはあたかも裏づけされているような印象があるが、理論的に説明されたら正しくそのとおりであって、権威に盲従すると思考停止になる実例である。
思考停止といえば、
一枚の紙を半分に折りたたんでいくと、最大何回折れるか、
という命題がある。
7回または8回、という解答が各種の本で、そういうもの、として与えられていた。
ところが、2001年にブリトニー・ガリヴァン(ブリトニー・ギャリヴァン)はそれが嘘であると指摘し、さらに公式を編み出したのだ。(p264)
検索すれば、見つかると思う。
世間一般に言われていることが、如何に裏づけを欠いていることか、への戒めであろう。