冥王星を殺したのは私です

著:マイク・ブラウン
訳:梶山 あゆみ
飛鳥新社 (2012/05/22 出版)
ISBN: 9784864101622
水金地火木土天海冥は、覚えやすい呪文であった。
一時期、水金地火木土天冥海の順になったときは、1985年の資生堂のCMで取り上げられたほどの意味を持っていた。
その冥王星がいつの間にやら(正確には2006年)、矮惑星準惑星)になってしまうよう決められたと聞いたときには、何故冥王星を落とし込むような乱暴なことをするんだ・・・
と、いささか不満を感じたことを覚えている。
本書は、その冥王星を惑星の座から引き摺り下ろした本人の天文学者が著した本である。
一読、なぜそのようなことになったのか・・・の疑問が氷解した。
1930年に発見された冥王星よりも、2005年発見のエリスの方が大きいのだ。
さらに、太陽系外延のカイバーバルトには、他にもクワオアー、マケマケハウメア等の似たような「星」がどんどん見つかっているのだ
「惑星は定義ではなく、概念だ」と著者は言う(p319)
実は、著者は前述の矮惑星の発見をそれぞれ成し遂げている。
その実力者が冥王星を惑星の概念から移動させた・・・という結果なのだ。
ハウメアを検索すると、
>スペインのシエラ・ネバダ天文台でホセ・ルイス・オルティスらのグループが発見し
たとあるが、実は彼らは著者の観測データを横取りして発表した・・・と著者は記す。
実際は、如何に?是非ご一読し諸氏のご判断を仰ぎたい。