イザベラ・バードと日本の旅

平凡社新書
著:金坂 清則
ISBN:9784582857542
出版社内容情報では、バード研究の第一人者がその生涯と日本の旅に焦点をあてた決定版入門書。従来のバード像を変える力作!
とある。
実際かなり驚いた。
いままでに刊行されていた高梨訳の「日本奥地紀行」は、原著簡略本からの訳出であったということだ。
いままでの理解では、
彼女の旅が日光から東北を抜けて北海道に至り、アイヌの村を訪れるものだった(p16)
というものだった。
しかし、最初に上梓された完全本原著では、その後神戸・大阪・伊勢神宮周遊もしていた。
あまりに大部に渡ったことから、短縮した簡略本が有名になったため、本来の完全本が忘れられてしまっていた・・・ということ。
本書には、彼女の世界紀行ルート及び日本国内紀行ルートも考証された形で掲載されている。
当人を巡る、国内外の力添えに関して、著者は豊富な資料を駆使して解説する。
動機には諸説あるが、そのころの英国人の世界冒険に対する行動力には驚かされる。